一辺0．5センチメートルのルービックキューブ　「最小」世界記録に認定

　おもちゃ会社「メガハウス」（東京都台東区）の開発した各辺が約0・5センチメートルのルービックキューブが、「最小のパズルキューブ」としてギネス世界記録に認定されました。東京都内で3日、公式認定証が贈呈されました。通常のルービックキューブの約1000分の1のサイズを実現し、実際に回して遊ぶこともできます。

　「最小のパズルキューブ」に認定されたのは、ルービックキューブ発明50周年を記念して開発された「究極最小ルービックキューブ」です。通常のルービックキューブは各辺の長さが5・7センチメートル。これまでの世界最小記録は0・56センチメートルでしたが、今回は0・49センチメートルと記録を塗り替えました。構想から完成まで4年間かかったそうです。

　「究極最小ルービックキューブ」はアルミニウム製で、重さは約0・3グラム。細かな切削加工を得意とする「入曽精密」（埼玉県入間市）の協力のもと開発しました。金属を削り出して39個のパーツを作り、手作業で組み立てました。

　メガハウスの佐藤明宏社長は「うれしいの一言です。製作にかかわったスタッフ、入曽精密とのコラボレーション、情熱が生んだものです。この喜びをみんなで分かち合いたいです」と話しました。贈呈式には、ハンガリーのオルネル・バーリン・アンナ駐日大使も駆けつけ「発明から50周年という記念すべき年に、発明者のルービックさんの故郷であるハンガリー大使としてうれしく思います」とお祝いの言葉を述べました。

　ルービックキューブは1974年、ハンガリーの建築家で彫刻家のエルノー・ルービックさん（80）が発明しました。当時、大学の建築学の先生だったルービックさんは、学生に立体や空間について説明するため、木製の立方体の模型を作りました。その後、6面に異なる色を塗り、「ルービックキューブ」という名称で発売されました。

　80年に日本で発売されると、わずか8か月で400万個を売り上げ、一大ブームとなりました。2007年にハンガリーで開かれた世界大会で当時工業高等専門学校2年生だった中島悠さんが優勝すると、「脳トレ」ブームの影響もあり、第2次ブームが起きました。

　ここ数年、再び盛り上がりを見せています。20年に新型コロナウイルスが流行し、家で過ごす時間が増え、売れ行きが伸びました。23年度の販売数は92万個で、1980年度に次ぐ売り上げとなりました。【篠口純子】