カナダ保守党の愛国動画、ロシア戦闘機を映すミス　映像削除

（ＣＮＮ） カナダ保守党の党首が愛国的な演説をする先週末公開のＰＲ動画に、ロシアの戦闘機が映っていたことが分かり、保守党は動画を削除した。ＣＮＮ提携局ＣＢＣが伝えた。

この動画は伝統的でのどかなカナダの光景を映しているとの触れ込みだが、インターネット上では他国の映像が含まれているとして広く批判を浴びている。

ＣＢＣによると、保守党の広報責任者サラ・フィッシャー氏は１９日、「動画は削除された。間違いは起こるものだ」と語った。

保守党のポワリエーブル党首は動画の中で、「我々の故郷と先祖伝来の土地を防衛する」訓練任務を行うカナダの戦闘機に言及。しかし同氏のコメントが続く中、動画に映し出されるのはロシア製の軍用機だ。カナダのブレア国防相が確認した。

ＣＢＣによると、ブレア氏の事務所が発表した声明では「ショッキングなことに、ポワリエーブル氏が夢見るカナダには美しい平原の上空を『訓練任務』で飛行するロシアの戦闘機（Ｓｕ１７とおそらくＳｕ２７）が含まれている。これはロシアがウクライナや我々全員の安全を守る国際ルールに対して、違法かつ一方的な戦争を続ける中での出来事だ」と指摘している。

インターネットのユーザーが録画した動画は今もＳＮＳ上に出回っている。カナダ新民主党のチャーリー・アンガス議員は動画を共有し、別の国の映像素材が含まれていると指摘した。ＣＮＮも、一部の動画は他国で撮影された映像素材であることを確認した。

アンガス氏はＸ（旧ツイッター）に「セルビア人家族のためにロシア軍機によって守られ、ベネズエラの夕暮れに染まるポワリエーブル氏のカナダは、国際的な注目を集めている」と書き込んだ。